大変興味深いニュースを読みました。
書名に「9割」を含む、通称「9割本」が書店を席巻している。2021年には「人は話し方が9割」がベストセラーとなり、今やビジネス、健康などあらゆるジャンルから「9割本」が出版されている。
一方で、その数の多さゆえに、ネット上では「結局何が9割なんや」と疑問に思う声も聞かれている。ビジネス数学に詳しい識者は、9割本を手に取る読者に対し「『9割だから正しい』という思想は極めて危険」と警鐘を鳴らす。
(J-CASTニュース【出版相次ぐ「9割本」、ベストセラーも…「結局何が9割」皮肉る声 識者鳴らす「警鐘」】より引用)
現在、タイトルに「9割」をつけるとよく売れるとのこと。しかしながら、「9割本」ばかりが増え、どれが重要かがわからなくなっています。
確かによく売れているようです。2022年上半期ベストセラーランキングを見ると、『人は話し方が9割(永松茂久著、すばる舎)』が堂々の1位です(日本出版販売株式会社調べ)。
でも、世に多く出回っている9割本の数字の根拠って一体何でしょうか?エビデンスはあるのか?というのも記事中で問題視しています。
が、そもそも、「9割だからといって信じていいのか?」という問題をも指摘しています。
確かに出版社としては、「今流行りのタイトル」を付けることは重要でしょう。それだけで売れるのであれば、確率の高い勝負をしたくなるのは会社経営としては自然の流れです。経営は博打ではやれません。
しかし、著者側としては懸念材料もあります。10年経った時にそのタイトルが「時代遅れになってしまわないか?」ということなどです。
せっかく苦労して世に出した書籍が、いっ時の流行りだけで価値を失うのももったいないものです。できることなら、長い間、世に価値を提供し続ける本でありたいものです。
時代遅れになってしまうだけならまだしも、「流行に乗ってしまったダサい本」や「流行り本の二番煎じ」のレッテルを張られてしまうことは、第一人者、権威としては避けたいところです。
ですから、経営者として、長い期間、出版による経営効果を狙うのであれば、流行り廃りを感じさせないタイトル付けが重要になります。